インターネットは僕らを賢くしてくれない。

何てことはない、すごく当たり前のお話。とっくに陳腐化したお話。

ネットが登場して、僕らはすごく簡単に情報を手に入れられるようになった。ネットに書いてあることを覚えて、何だか賢くなったかのような錯覚に陥ったことは、誰しもあるだろう。
会話の中で、どこか浮いた感じの、誰かが言ってたであろう言葉を得意げになって相手に投げかけ、困惑させる、失笑を買う人とかたまに見かける、というか俺は失笑する。何だかネットが全能であるかのように思えてきてテレビや新聞なんかの既存のメディアをやたらと批判する。
でもそういうのって、ネットが登場する前と一体何が違う?特定のメディアを盲信して何かを批判するのってすごい違和感を感じる。

テレビや新聞は信用できない?それはわかる。じゃあ、どうしてネットは信用できる?どちらかと言えば、ネットのほうが情報は総じて不正確になりがちだ。
自分にとって「都合のいい(自分がそうであると信じたい)」情報は、ネットのほうがきっと多い。けど、そういう情報のあるところにずっといると、自分は正しくて、それ以外は間違い、みたいな風になってしまいがちだ。そうすると、ある種の「ヒステリー」が特定の集団の中で先鋭化されていく。

というわけで、結局のところ、インターネットは僕らの間の「賢いヤツ」と「アホなヤツ」の格差を徹底的に広げてしまったのだと思う。ネットのなかった時代から、賢いヤツは頭を使い、情報の裏側を探ろうとするが、アホなヤツは頭を使わず情報を鵜呑みにする。
「バカの一つ覚え」ということわざは、ものすごく端的に「アホなヤツ」の特徴を表しているなあと感じる。
いかなるメディアを使おうとも、使う人間が賢くなければ有意義に活用なんてできない。

今まで一体何様なんだっていう視点で書いてきたけど、じゃあお前は賢いの?と聞かれても、答えは正直言ってわからない。多分とってもアホです。
大事な事は、信じるメディアが何かではなく、何かを盲信するっていうところからのパラダイムシフトなんじゃないのかな、なんて。とはいっても、いつも何かを疑ってあれこれと考えを巡らすのはきっとしんどい。
賢い人間であろうとするのは難儀なことだなあとか思ったのでした。

当たり前だろーが、とか、まだそのレベルかよwとか思っている人が1人でも多いことを願って。