自分の音楽観を一瞬で変えた曲

たった1つの出会いで人生や価値観が一変することがある、今回はそんな話。
自分は音楽が好きだが、その中でもブルースが一番好きだ。マイナーペンタトニックスケール主体の音階、曲調が聴いていてとても心地良いし、何よりも聴いているとギターを弾きたくなる、あの不思議な感覚がたまらない。
ブルースに傾倒することになったのは、元々そういった曲調の音楽が好きだったからではない。中学生の時にハードロック、高校でパンクにハマっていて、大学に入ってからもパンクを愛好していた。ギターを弾くようになってから、パワーコード中心の演奏ってつまらん、とか思うようになってyoutubeとか使って世界の有名なギタリストを調べていた。ジミヘンやジェフベックやエリッククラプトンは調べ始めた頃から知っていたが、当時は「まあ、いいんじゃない?」くらいにしか思っていなかった。
そんな時に見つけた「Fender VS Gibson」っていう動画に出てきたStevie Ray Vaughan(SRV)の「Crossfire」の演奏を見た時、衝撃が走った。(1:45くらいから)

音のワイルドさ、フレーズ、演奏のダイナミックさ、全てが自分を惹きつけた。SRV本人とギターはもちろん、音そのものと一体になって演奏しているように感じた。演奏者側だけでなく、聴く側の高揚感が半端無く高まる。アドリブ演奏の時にいきいきとするのってすごい。こっちはフルバージョン。

この演奏を聴いてからSRVの曲を貪るように聴き始め、SRVが影響を受けたギタリストを知らべて、とかしているうちにすっかりブルースの虜となってしまった。今では、「ギターは元々ブルースを弾くための楽器」と信じて疑わない。きっとこの曲に出会っていなければ、ギターはやめてしまったかもしれない。そう考えると、SRVと「Crossfire」は自分の音楽観だけでなく、人生をも変えた、と言っても言い過ぎではないのかもしれない。